New Longさんの日記

(Web全体に公開)

2016年
12月16日
20:59

霜月に想う

霜月(しもつき)とは良くぞ言ったもので、ここ最近、朝には霜柱が立っていたり、車のフロントガラスに霜が降りている(おりている)のを見掛ける。昼間適度に暖かく、朝に氷点下近くまで下がる季節に特有な現象である。もっと寒くなってしまうと霜柱は立たない。まさしく霜月の風景である。こんな事を書くと十二月は師走(しわす)だろうと突込みを入れたくなる人も多いだろう。しかし、月の異名などは旧暦で名付けられたものであるので、新暦の月に当て嵌めると一ヶ月前後のズレを感じることは多々ある。例えば、新暦6月は五月雨(さみだれ)、つまりは梅雨(つゆ)の季節、陰暦六月の水無月(みなづき)とはズレがある。水無月の由来を新暦6月の季節感でこじつけたデマもあり、それを一部の有名な寺院が広めているケースまでもがあるのは非情に嘆かわしい(なげかわしい)ことである。

旧暦の季節感で見なければならないものに花札と言う日本生まれのゲームカードもある。今月陰暦十一月は通称「雨」(柳)、時雨(しぐれ)の季節である。 二月は梅で関東平野部では新暦2月~3月が盛り(さかり)、梅は春告草(はるつげそう)と呼ばれるが、対になる春告鳥(はるつげどり)の鶯(うぐいす)も鳴き出す。三月は桜で同様に新暦3月下旬~4月上旬、八月は通称「坊主(ぼうず)」の芒(すすき)、光札は中秋の名月であり、いわゆる十五夜(陰暦八月十五日夜)は新暦9月上旬~10月上旬であり、新暦8月になることは無い。十月は紅葉(もみじ)、紅葉(こうよう)も、関東平野部では新暦で11月~12月上旬で、10月ではまだ早い。紅葉と対になっている鹿は、小倉百人一首の「奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき」の和歌でも有名だ。花札はギャンブル用のカードと言う側面とは別に、上記に挙げた例以外にも数多くの花鳥風月に交わる奥深き文化を凝縮したものでもあったりする。

月の異名にしろ、花札にしろ、十五夜にしろ、陰暦が新暦から20~50日程度遅い月になっていると言う前提を知らなければ正しく理解できない。また、陰暦を利用していた頃でも、節分、立春、春分、清明、八十八夜、立夏、夏至、立秋、秋分、立冬、冬至と言った二十四季と二十四季から派生した節日は太陽暦で計算していた事実を知らなければ、これらを旧暦由来だと頓珍漢(とんちんかん)な解釈をしてしまう。

巡る季節の花鳥風月を愛でる(めでる)のならば、ネットに氾濫するようなデマ蘊蓄(うんちく)を鵜呑み(うのみ)にして、拡散する前に、最低限の知識は身に付けて置きたいものである。
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